曼荼羅の世界は,混沌としながらも秩序があり、単なる造形的な美しさだけではなく、大宇宙の縮図をイメージする。曼荼羅の原形は、インドの城郭などを描いた都市計画図だったといわれる。著者(布野修司 http://www.archi.kyoto-u.ac.jp/~funo-lab/profile/pro_funo.html)はバリのカランガスム王国の植民都市として建設されたチャクラヌガラの空間構成に興味を持った。チャクラヌガラは整然とした格子状の都市で、平安京に似ていた。この空間構成はどこから来たのかという疑問を持ち、そこに、仏教、ヒンドゥー教の宇宙空間としての曼荼羅が映し出されていると気づいた。曼荼羅を通して、日常に埋没しがちな自分が本来立つべき位置を再確認することができる。そして内なる大宇宙へと飛翔するための道標となる。そんな都市計画がヒンドゥー都市でなされていたのかもしれないということは驚きだ。 ISBN:4876986738 単行本 布野 修司 京都大学学術出版会 2006/03 ¥5,250

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