ペレストロイカはゴルバチョフの発案によると思っていたが、KGBが演出し、アンドロポフが生みの親であるという。1982年は重大な転換期であり、アンドロポフ主導で驚くべき「宮廷革命」が行われた年として記憶に留めるべき年。ソ連政府はその権限の大部分をKBGに委譲してしまった。ゴルバチョフはこの流れを引き継いだだけで、改革を実施するのに最適任だったというだけなのだとなる。歴史とはそういうものかもしれない。著者のエレーヌ・ブランは仏CNRS(記事中に紹介文のURL http://www.aist.go.jp/aist_j/topics/to2001/to20011122/to20011122.html)の研究員。母方の先祖にロシアの血を持つ。この20年間はロシアにとって決定的な時期で、著者はそれを仏にて目撃する。ペレストロイカによる激変、ソヴィエト共産主義の崩壊、ソヴィエト連邦の解体、エリツィンによるロシア連邦の市場経済への移行などを次々に体験し、最後はプーチンの大統領就任と同時にFSB(元KGB=ソ連国家保安委員会)が公式に国家権力を手にする。
ISBN:4422202634 単行本 森山 隆 創元社 2006/02 ¥2,520

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