不安な兵士たち〜ニッポン自衛隊研究
2008年8月16日 読書
DiaryNoteのページに画がなくて淋しい。ここら辺でブックレビューを入れなくては。著者のサビーネ・フリューシュトゥックさんはオーストリア生まれ、ウィーン大学にて日本社会学を学び、現在はカリフォルニア大学サンタバーバラ校教授。近現代日本研究が専門。とにかくバイタリティのある女性のようだ。日本人じゃないのに参考文献の数がすごい。週刊大衆まで読んでいる。2001年には1週間、陸上自衛隊に体験入隊をする。しかも実現までに何度も断られている。内容も面白い。「兵士と隊員のヒロイズム」、「フェミニスト・ミリタリスト」という章のタイトルだけをみても読みたくなる。少し引用してみよう。「男らしさは、女らしさとして構築された他者によって主に決まるという考えとは違い、私は自衛隊の男性隊員は自分たちの男らしさの度合いを、女性と比べてではなく、ほかの男性と比べて判断していると見ている」。彼女は何を観察しにはるばる日本まできたのだろかと、好意を持って思ってしまう。彼女の分析は、企業戦士タイプのサラリーマン、皇軍兵士、日本に駐屯する米軍兵士の3者の影響のもとで自衛隊員の男らしさが形成されているという結論。
著者:サビーネ・フリューシュトゥック/花田知恵訳、出版社:原書房、発行:2008年03月
著者:サビーネ・フリューシュトゥック/花田知恵訳、出版社:原書房、発行:2008年03月
コメント