最近のテレビ報道をジャックしている感がある酒井法子。台湾・中国で人気があると知って、不思議に思った人も少なくないと思う。その答えは「越境するポピュラーカルチャー」にある。日本の韓流ブームにも同じ構造がある。

中国では1980年代に「おしん」などの日劇(日本のドラマをこう呼ぶそうである)が放映され、第1次のブームを引き起こし、「憧憬や情熱を持って希望のある未来の中国を建設し、知識、理性と道徳で美しい人生を追求しようとする」はば広い年齢層に支持された。

1990年代半ばになると、上海東宝電視台が「東京ラブストーリー」を大ヒットさせた。これをきっかけに、日本人の若者の都市生活や恋愛模様を描くトレンディドラマの第2次日劇ブームが起こる。このブームによって、木村拓哉、竹野内豊、反町隆史、常盤貴子、深田恭子、そして話題の酒井法子などのアイドルが崇められるようになった。

しかし「今世紀に入り、中国視聴者の好むテイストが変わった」。

日劇は韓劇、つまり韓ドラにとってかわられた。中国でも韓流ブームは起きたらしい。「ロマンティックな純愛に家族の絆、社会の人情、仁・義・孝・忠などの儒教倫理を絡める庶民の日常生活を描く」韓劇は若い視聴者の間で人気となった。

1997年から10年間続いた韓流ブームは2006年に入ると下り坂に向かった。

韓国で2004年に大人気だった「パリの恋人」は2005年11月に北京で放送されたときの視聴率ランキングでは6位と低調だったという。

長い間中国のテレビから姿を消していた日劇が2006年から再び登場してきて、いま第3次日劇ブームの渦中となる。酒井法子が中国でもてる背景にこのブームがあるのかもしれない。

なぜ日劇と韓劇は入れ替わる形で中国でブームを引き起こしたのか。知りたい人はこの本を読むとよいかもしれない。

P.S. 昼間のTBS「噂の!東京マガジン」で司会の森本毅郎が韓国ドラマに嵌っているという話をしていた。

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